長年彼女たちと付き合っていくと変わった習慣、生態を垣間見ることがある。
極めて特殊な人たちだと私は思う。
一晩だけの愛すべき人々。
NHKスペシャルで特集してほしいと思えるほどその生態は神秘と謎に包まれている。
約15年にわたって彼女たちを見て来たから言える、一般の人たちとは明らかに違う、彼女たちは妖艶で美しく、そして素晴らしい魅力を持った夜の”蝶”。
そこには深い事情があり、理由があった。
不景気のこの時代、100万人とも言わるキャバ嬢達。
もはや絶滅危惧種と思われていた彼女たちの、その神秘に満ちた生態系を解き明かす。
習慣①基本眠い

キャバ嬢の夜は遅い。
一般人のそれとは真逆である。
大体、20時~21時出勤で、日付が変わって2時、3時忙しいときは翌朝に返っていく夜の”蝶”である。
人間の体内時計は約25時間を1日のサイクルとして自動計算している(これを”サーカディアンリズム”という)。
だから暗闇の中で生活した人間は、1日に1時間ずつ狂っていくのだ。
それをリセットしてくれるのが朝の太陽光である。
普通の人間は出勤・通学時など太陽光を浴びてリセットし、1日の開始のサイクルを毎日調整しているのだ。
ところがキャバ嬢は早朝の太陽光を浴びずに帰ったり、浴びてから就寝になる。
眠いはずだ。
1日の体内時計が狂ったり、1日の始まりを告げる太陽の光を浴びてから寝ないといけないのだ。
よく眠れていないはずだ。
なので勤務中は『眠い』というのが口癖になったり、勤務中に寝ている輩をよく見かける。
習慣②ボロボロの肌

よく見ると基本的に肌の状態は悪い。
これにも理由がある。
肌のゴールデンタイムは深夜2時と言われている。
これは成長ホルモンとメラトニンの分泌が盛んな時間帯が大体深夜2時だからだ。
キャバ嬢はこの時間まだ起きており勤務中だったりする。
しかもほぼ毎日だ。
肌が休まり、成長する為に必要なホルモン分泌時にも就寝していないので肌のバランスも何もない。
暗い店内と厚手の化粧ではよく見ないと気づかないがこれが現実なのだ。
習慣③酔うと人が変わる

キャバ嬢は基本『酒好き』である。
酒と友達じゃないとやっていられない。
お酒は気分を良くし、楽しく時間を過ごすことが出来る。
そして酒1杯で人生が変わる。
人が変わるのは酒に酔って理性が飛ぶからだ。
キャバ嬢は人を選べない接客業である。
一番面倒な仕事の一つであると思える。
「俺の酒が飲めないのか」という男性諸君も多くいる。
頑張って飲んでいるのである。
そして人が変わる。
お酒が入ってしまえば相手するのを遠慮したいと思っているお客さんでも楽しく過ごせるのだ。
習慣④酒焼けしたその声は大きい

店内はうるさい。
元気な若者向けのキャバクラならなおさらだ。
うるさい店内で大声で話さないと隣の人に聞こえないので自然と大声にもなるのだ。
そしてカラオケが置いてある店が多い。
そしてたばこの煙が宙を舞う。
こんな環境で酒を毎晩飲んで酒焼けしないはずがない。
そして歌うのである。
彼女たちの声帯は、客とのデュエットと軽快なトークと引き換えにどんどんと悪くなる一方だ。
声が枯れているキャバ嬢もしばしば見かけるのだ。
習慣⑤すぐ襲おうとする

キャバ嬢は接客業が好きだ。
基本的に人が好きなのである。
男性でも女性でも。
そして酔って人が変わったキャバ嬢は人を襲うようになる。
めったにないがグーで宣戦してくることもある。
気に食わないことを言ってしまったかもしれない。
そういう時は素直に謝るか、店員さんを呼ぼう。
うれしいのは逆のパターンだ。
そう、抱き着いてくるのだ。
もしそういう状況になったのなら『ありがたい』と思って楽しむべきだ。
もちろん節度をわきまえてだが。
習慣⑥すぐ枕営業しようとする

キャバ嬢も人だ。
訳アリで、人恋しくて人懐っこい、寂しがり屋が多いと思う。
事情があって訳アリでそこには人に言えない深い事情がある。
キャバ嬢は短期間で高収入、『稼げる職業』である。
よく聞くととんでもない借金があったり、夢破れたり、辛く悲しい過去を背負っている。
誰かに何かを本音で話したくてもできないでいたりする。
騙されやすい人も多く、人がらみのことで失敗しているキャバ嬢が多い。
でもやっぱり人が好きで人恋しいのである。
だから秘密を抱え、嘘つき。妖艶で魅力的な人が多い。
そして枕営業パターンになることもある。
そうなったらあとの判断はあなた次第。
責任ある行動を願う。
習慣⑦辞めても抜けないキャバ嬢の習慣

職業病が抜けない元キャバ嬢もいる。
あなたも体験しているかもしれない。
何気ない行動の中に以前の職業の癖が出てしまう事が。
キャバ嬢の場合はこうだ。
私はこんな仕草をしている女性を見ると「キャバ嬢」か「元キャバ嬢」だと思ってしまう。
そんな私も職業病かもしれない。
最後に

一夜限りの客の為に、ボロボロの肌、酒焼けした声、睡眠不足をものともせず、辛く悲しい過去を背負いながら、令和というこの時代に生き抜くキャバ嬢たち。
そこには人としての魅力や妖艶さを兼ね備えている。
人に騙されようと最後まで人を信じて生きる彼女たちに我々がしてあげられるのは、蔑みでも同情でもなく、『お金』という信じられる価値ではないか。
私はそのように思う。
あなたは何を思い、何を感じただろうか。
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